体外受精は果たして朗報なのか、それとも神への冒涜なのか?
不妊治療の名の下に目覚ましい進展を続ける現代医療。
それは決して「産む性」である女性たちだけの問題ではないはず。
ベビー誕生の最前線で振り回される男たちの悲喜劇。

image photo 2 STORY
冴えない中年・芳野は、結婚相談所で知り合った芳子と晴れて会員同士でゴールイン。理想の結婚生活が待っているはずだったが、芳子が妊娠。でも何故? パーフェクトな避妊を続けていたのに。さては別の会員と浮気? 芳野が慌てて結婚相談所に飛び込んで行くと、そこで出会った営業マン・藤枝に、芳子がお客として訪ねてきたと聞かされる。「お客としてって、お宅の会社……?」「精子バンクですよ」




前回写真 当時まだ架空のものだった「精子バンク」が日本でも現実となり、体外受精で生まれた子どもの数は既に万を超えると言われている。 既成事実が着々と積み上げられていく一方で、日本産科婦人科学会の認識は変わりつつあるものの、法整備の現状は6年前とさほど変わっていない。 保険適用がないため患者の医療負担は高額にのぼり、「相続問題」「親を知る権利」といった難問はいまだ棚上げされている。 子どもが欲しいと心から望んでいるのに叶わない人々に救いはないのか。
生命の誕生という神の領域に人はどこまで踏み込めるのか。
その回答は21世紀にもたらされるのだろうか。
そして今日もどこかで、体外受精で生命が創られようとしている。

2001年1月。不妊治療の進歩を再取材して脚本を改訂、改めて「人の手による生命誕生の今」を描く『愛しすぎる男たち』再々演。 初演ではシアターサンモールの客席に舞台をつくり、劇場全体を巨大な待合室に見立てたが、今回は青山円形劇場という最適な場所を得て、さらに臨場感に満ちた待合室で生命誕生に加担した男たちの悲喜劇が展開する。



体外受精《生命・人間・社会》■体外受精in vitro fertilization(IVF)
人工授精どうするあなたなら■<AID>(98年12月)
不妊治療恵寿総合病院ホームページ■ほっとたいむバックナンバー「不妊症治療:体外受精について」
男性不妊症「骨髄移植の基礎知識」の仮公開ページ■第11章 不妊症・男子不妊症
結婚相談所/結婚に向けての男女の出会い■結婚情報サービス企業比較 ■結婚情報サービスに関する検討 など
精子バンク
日本産科婦人科学会
親を知る権利練馬・生活者ネットワーク■第7条



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劇団一跡二跳

制作:岸本 匡史