我が国での自殺者の数は年間3万人を超える。1998年に3万人を突破して以来、高水準での横バイ状態が続いている。この数字は先進国での中でも飛び抜けて高い。
日本はそんなに生きにくい社会なのだろうか。日本の社会には人を自殺へと駆り立てていく何かが潜んでいるのだろうか。
この作品は、自殺を語ることはまだまだタブー視される現代にあって、敢えて多方面にわたる数多くの方々にインタビューを行い、その証言をもとに舞台化する「ドキュメンタリー・シアター」。
インタビューに応じてくれたのは――
首吊り自殺で長年連れ添った夫を亡くした妻。
電車に飛び込んだ人を轢いてしまった運転士。
青木ヶ原樹海を管轄する富士吉田警察署の刑事。
インターネット自殺サイトの管理者。
自殺対策の法制化に奔走する若きNPO法人代表。
さらに、自殺遺体処理を幾度となく経験した警察官、脳外科医、カウンセラーなど実にさまざまな立場の人々が生々しい体験を語ってくれた。
この数多くの貴重な証言から浮かび上がってくる切実な思い、願い、祈り――。
こうした証言を軸に、私たちが暮らす社会の闇と「命」の尊さについて描く、新たな「生きる物語」。
一跡二跳が挑む「誰も見たことのない」演劇。
ご期待ください。
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