眠れる森の美女 |
【ストーリー】 | ||||
さびれた病院の待合室に、男が独り訪ねてくる。会ったこともない婚約者を見舞いにきたのだ。ところが受付のシスターにとんでもない数の番号札を渡され、しばらく待っているようにと告げられる。「ただ今、安静時間ですから……。安静時間というのがどういう時間なのかということは、おわかりですね……?」 ベンチに座って待つ男のもとに、入院患者らしき女や、拘束衣に包まれた男、医者らしき男が次々と現れ、支離滅裂な会話を交わすうち、男はしだいに混乱の渦に引きずり込まれていく。 やがてすっかり疲れ果て、ベンチで眠り込んでしまった男のもとに、突然、死んだ狐を抱きかかえた女が現れ、狐を強引に預けていなくなる。その後、その狐を追うかのように現れた人々から、ここは森に囲まれた城であり、狐はそこから出てきたのだと聞かされる。そして森には眠り続ける王女がいて、白馬の王子を待っているのだと聞かされる……。 | ||||
>>>伊藤大(いとうまさる) | ||||
1987年東京大学文学部卒業後、劇団青年座入団。 91年スタジオ公演『夏の日と、星の光と』作・演出でデビュー。94年『オルメドの騎士』で青年座本公演初演出。95年より1年間文化庁在外派遣研修員としてパリ滞在。97年スタジオ公演『ジャンナ』の演出で注目され、以後『ムーランルージュ』、『君はこの国を好きか』、『ハロルドとモード』(翻訳・演出)、文化庁新進芸術家公演事業『罠』(翻訳・演出)、『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』他がある。(社)日本劇団協議会主催<フイリップ・ゴーリ工演劇ワークショップ>アシスタント講師をつとめる。 |