巨大な急斜面で繰り広げられる、トリッキーな家族劇。 |
舞台には巨大で、激しく急な斜面がある。 見上げるほどの、その角度は言語道断、非常識きわまりない30度!! それがリビングの床だ。 リビングというからには家の中であり、そこに住む家族がいる。 家族は、その急な斜面で毎日食事をし、団欒の時を過ごしている。 滑り落ちないようテーブルや椅子は釘で打ちつけてあるからいいが、 人間は釘止めできないので、この毎日の食卓は恐ろしく体力を使う。 滑り落ちないよう床を這い上がり、あるいは一気に駆け上がり、 椅子の脚にしがみつき、重力に逆らい、にこやかに食事を続けなければならない。 この家族の目的は何なのか。何をもくろんで途方もない労力を費やしているのか。 父はエリートコースまっしぐらの一流企業戦士。母はマスコミで売り出し中の料理研究家。 息子は現代美術アーチストの卵。娘は幸せな結婚生活を夢見るOL。 絵に描いたような幸福な一家がなぜ? 何のために急斜面に居続けるのか? そもそも何が平面になるのか? 何を平面にするのか? 「平面になる」とは、いったいどういうことなのか? 劇団一跡二跳創立20周年記念第2弾。 俳優たちが体力勝負で挑む、はらはら、どきどき、スリリングな、ある家族の物語。 |