第35回公演 1998.3/11(Wed)--15(Sun) Place:青山円形劇場 |
舞台には激しく急な斜面がある。リビングの床だ。リビングというからには家の中であり、そこに住む家族がいる。家族は、その急な斜面で毎日食事をし、団欒の時を過ごしている。滑り落ちないようテ−ブルや椅子は釘で打ちつけてあるからいいが、人間は釘止めできないので、この毎日の食卓はおそろしく体力を使う。 | |||||||||
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滑り落ちないよう床を這い上がり、あるいは一気に駆け上がり、椅子の足にしがみつき、重力に逆らい、にこやかに食事を続ける。たとえ途中で滑り落ちたとしても、何事もなかったかのように這い上がってきて会話を続けなければならない。団欒を止めることは許されない。精神的にも相当タフな団欒を、この家族はもう長いこと続けている。まるで、それがどうして始まったのか、どうしてやめることができないのか、誰もがとうの昔に忘れてしまったかのように……。 さまざまな現代コミュニケーションのあり方を描き続ける古城十忍&一跡二跳が放つ、奇想天外の最新作。ご期待ください。 |
制作:岸本 匡史