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醜形恐怖。 | |
昨年製作した「現代人に潜む病理」を描く新作公演シリーズの第二弾。 前作『アジアン・エイリアン』では日本人の心に潜む「差別する心」に焦点を当てたが、今回は「見た目の美しさ」が何よりも重要視される現代の社会状況を背景に、対人関係能力の未熟な現代人の姿を描く。 |
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■作品背景 「醜形恐怖」とは病名である。自分の容姿に自信が持てず、自分は醜いという思いこみから学校や会社にも行けなくなってしまう、一種の強迫観念。「美しさ」「かっこよさ」が何よりもてはやされる現代において、既に醜形恐怖はさまざまな形で日常に露見しているのではないか。 山ほどの健康食品を買いあさる中高年世代。相変わらずの痩身・小顔・ダイエットブーム。 通信販売CMで大量に垂れ流される健康マシンの数々。 果てはお金を媒介としなければ性的な関係を結べない若い女性たち……。 本作品では、何とか自分を「健康で美しく」変身させたいと願う彼らの心に潜むもの、醜形恐怖を通して見えてくる現代人の心の在り方を探っていく。 醜形恐怖 痴呆症・医療情報公開のホームページ内の醜形恐怖 哲学の館〜あちの館内のあちの悶々時代 なごやメンタルクリニック内の醜形恐怖にとりつかれた… |
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■中四国縦断公演によせて 地方の演劇界は常に東京公演の後追いです。首都圏在住の劇団は先ず東京で新作を上演します。地方で新作を観る機会はほとんどありません。特に鑑賞組織では1年以上前に作品を決めること、決定にあたっては作品の評価を大切にすることもあって、先ず実現しません。 私たちは、演劇を通じて今の時代を感じてもらいたいと願っています。観に来て良かった言える作品を企画したいと願っています。今の若い世代が共感できるものを是非、実現したいものです。 常々上記の二点を思っていましたが、このたび劇団一跡二跳が、中国四国地方立ち上げで新作を作って、東京の定期公演にもっていくという話が実現いたしました。 東京発のものばかりでなく、地方滞在型の地方発信の演劇文化をアピールできればと考えています。 子ども劇場岡山県センター 事務局長 糸山嘉彦 |
制作:岸本 匡史