綾子 | ね、それより砂漠の井戸って何? | |
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日比野 | 砂漠の井戸? | |
綾子 | それ聞いて何か思い出さない? | |
日比野 | なんだ、それ、俺が言ったのか? | |
綾子 | 覚え、ない? | |
日比野 | ……聞いたような……。(考え込む) | |
綾子 | じゃ父親教室は? | |
日比野 | 父親教室……?(考え込む) |
せる> | ここが井戸だったんだ | |
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れぞんでとる> | 井戸……? | |
せる> | 砂漠のオアシス | |
れぞんでとる> | 話、すっ飛んでませんか? | |
せる> | 人間を井戸につなぐ臍の緒、縄、オンライン ここには〔れぞんでとる〕さんの言葉、みんなの言葉、いつも溢れてる |
せる> | だから5年間、息子と私の臍の緒、縄、オンラインを探し続けて、これからも探し続ける それがきっと私の存在理由なんですよ | |
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れぞんでとる> | ……… | |
幸多、ゆっくりとG・Jから出てきて父の近くに歩み寄る。 と、ルームに〔アイデンテ〕、続いて〔ちっち〕〔ママン〕が戻ってくる。 日比野のタイピングは続いている。 ふと、顔を上げた日比野、見つめている幸多と視線が合って―。 |