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ピアス男、牛乳の入ったコップを持って現れて、左の部屋に行く。 |
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| ピアス男 | （フロッピーに気づいて）何くっつけてんだかなぁ。（コップを差し出し）飲めば。牛乳。 | |
| 薮内 | ………。（ぼんやり見るが、すぐにまた中空に目を奪われる） | |
| ピアス男 | 王様へのプレゼント。 | |
| 薮内 | ………。（ぼんやり見る） |
| ピアス男 | 「私は私の体の王だから、体の処遇は私が決める。だが同時に私は体の僕なので、もし体が私の意志を支配したとしても、私は私の体に逆らうことはできない」 |  |
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| 紙袋女 | ……どういうこと？ | |
| 前掛け女 | 体に逆らうことはできない……？ | |
| 背広男 | （はっとして）もしかしてヤブさん、察してたんじゃ……？ | |
| 若背広男 | 察してたって、痴呆症のことをですか？ |
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紙袋女 | 生まれましたよ。 |  |
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| 薮内 | ……産まれた。 | ||
| 紙袋女 | 女の子ですよ。聞こえますか？女の子、ですよ。 | ||
| 薮内 | ……佐和子。 | ||
| 一同 | ……！ | ||
| 紙袋女 | そう、佐和子です。あたしです……！ |
| 右と左、繋がれて、声を見ている人たち……。 薮内はそれまでずっと抱えていたその小さな箱を、自分の周囲に集めた箱に、やさしく、そっと、積みあげる。 |
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