小夜子 | それこそシタイがつながらせてくれた、例の小瓶。 | |
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天涯孤独 | あ、そのためにアレ、届けたんですかね? | |
ヤリタイ | ってことはないよな、まず。 | |
天涯孤独 | 分かってますよ。 | |
小夜子 | それじゃ四人のご対面に胸膨らませて。 | |
ヤリタイ | 明日、オフで。 | |
天涯孤独 | オフで。 | |
小夜子 | おやすみなさい |
婦長 | お帰りになったんだと思って今、電話を。 | ||
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桂子 | ……どうかしたんですか? | ||
婦長 | それが容態が急変して、……今……。 | ||
夫妻 | ……!(はっと顔を見合う) | ||
婦長 | 力及びませず、申し訳ありません……。 | ||
弾かれたように橋本夫妻は飛び出していく。 深々と一礼していた婦長、顔を上げるとヤリタイに−。 | |||
婦長 | 208です。よろしく。 |
ヤリタイ | 頼みがあるんだ。 | |
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看護婦 | 頼み? | |
ヤリタイ | 明日の一時、東京駅の銀の鈴に行ってくれないか? | |
看護婦 | あ、そうよね。大事なお友達に実体さらけ出すんだったわね。 | |
ヤリタイ | 三人と待ち合わせてるんだ。女が一人、男が二人。 | |
看護婦 | そんなことなら別の友達にでも頼めば? | |
ヤリタイ | だから頼んでる。 | |
看護婦 | ……。(ヤリタイを見る) | |
ヤリタイ | (小瓶を渡して)これが目印になってる。 | |
看護婦 | ……何なの、これ? | |
ヤリタイ | ……いってみれば、敵に送る塩みたいなもんだな。 | |
看護婦 | 何それ? |