性別を、年齢を、軽々と越えながらそこにはあざとい声色も仕草もない。そんな登場人物達が行き交う舞台は創れないものか。そこが今回の出発点です。大人の声・動作そのままの男優に、少女と老女を見ることができれば、物語もきっとより生き生きと、皆さんの前に立ち現れてくれると思うのですが。 |
男3 | これからお話しするのは本当にあった出来事です。 | |
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男4 | (煙草をくゆらせ)正確には本当にあった、と聞かされた話なんで、全部が全部事実かどうか…… | |
男1 | (男4に)事実ですよ。見てましたから。 | |
男4 | 全部じゃないでしょう。 | |
男2 | (客席に)ですが部分的には僕も…… | |
男3 | 君は黙ってなさい | |
男1 | いわば、共犯者ですし。 | |
男5 | 共犯者 | |
男4 | 意味深な言い方しますね。共犯者。 |
少女 | まだ女じゃないんでしょう、あたし。 | |
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男1 | いやだから来るって、ほっといても来年いや、再来年か、中学生になればいやでも。 | |
少女 | 違う。いつ来るかって年のこと聞いてるんじゃないの。 | |
男1 | じゃ何。 | |
少女 | 寝てる時?起きてる時?起きてるとしたらご飯食べてる時?トイレでウンコしてる時ってホント?フォークダンスの時に来ることあんの? | |
男1 | そりゃあるでしょ。 | |
少女 | (一瞬固まるが)あるのかぁ……。 |
老女 | ごめんなさいね、頼まれもしないのにあたし出しちゃうから。 | |
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男1 | そういうことじゃないんですよ。 | |
老女 | 人が食べるとこ見るの、好きになっちゃったのよ。 | |
男1 | ………。 | |
少女 | なんだ、それ。 |
男1 | (いつのまにか現れて)記念写真ですか?。 | ||
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男3 | そっち、入ってください。 | ||
男1 | あ、すいません。 | ||
男2 | じゃ皆さん、とびっきりの笑顔でお願いします。はい、、1+1は? | ||
「2」という声がする中、ストロボが閃き、シャッターが切れる。 なぜか少女も老女も加わっての「記念写真」。 |