暴力を「よし」とするプロセス
ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』はなんとも不思議な小説です。無人島に漂着した子どもたちが次第に協調性を失い、やがて凶暴化していく。言ってみれば、ただそれだけの話。しかし、よくよく考えてみると、これは子どもに限ったことではないですね。むしろ大人のほうが責任やら利害関係やら、いろんな思惑が絡んでくるので悪質です。人はなぜ凶暴化するのか。どういうプロセスを経て、言葉の暴力も含め「暴力」を「よし」とするのか。社会に出て鬱病になる人が増えている今、このプロセスに目を逸らさず丹念に見つめることは、とても大切なことのような気がします。
古城十忍
ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』はなんとも不思議な小説です。無人島に漂着した子どもたちが次第に協調性を失い、やがて凶暴化していく。言ってみれば、ただそれだけの話。しかし、よくよく考えてみると、これは子どもに限ったことではないですね。むしろ大人のほうが責任やら利害関係やら、いろんな思惑が絡んでくるので悪質です。人はなぜ凶暴化するのか。どういうプロセスを経て、言葉の暴力も含め「暴力」を「よし」とするのか。社会に出て鬱病になる人が増えている今、このプロセスに目を逸らさず丹念に見つめることは、とても大切なことのような気がします。
古城十忍
パワーハラスメントの実態に迫る
ある会社の新規プロジェクトに各部署から8人の社員が集められる。元企画推進局次長はリーダーとして意欲に燃えるが、営業三課から配属された女性幹部も「リーダーを任されている」と言う。かくして、プロジェクト・チームはたちまち2分され、徐々に対立が起こり始め、やがて仕事の捗らない者、コミュニケーションのうまくとれない者への、執拗な言葉の暴力が横行するようになる。果たしてチームの面々は無事にプロジェクトを達成することができるのか――。
ある会社の新規プロジェクトに各部署から8人の社員が集められる。元企画推進局次長はリーダーとして意欲に燃えるが、営業三課から配属された女性幹部も「リーダーを任されている」と言う。かくして、プロジェクト・チームはたちまち2分され、徐々に対立が起こり始め、やがて仕事の捗らない者、コミュニケーションのうまくとれない者への、執拗な言葉の暴力が横行するようになる。果たしてチームの面々は無事にプロジェクトを達成することができるのか――。