男2・女2は椅子に座ろうとするが、男1は黒いフレームをじっと見つめている。 | ||
男1 | 「いい顔してますね。」 | |
女2 | 「………。」 | |
男1 | 「サトル君、将来、連ドラの主役張れたんじゃないですか。」 |
男2 | 「ペンは剣よりも強しって言うでしょう。言葉の暴力なんてたいしたことないと思っている人もいるようですが、死にますよ、人は言葉で。殺傷能力ありますよ。」 | |
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男1 | 「どんなことを言われたんですか?」 | |
男2 | 「意味なんかありません。ただただ言葉を投げつけて、それで圧死させるんです。」 | |
男1 | 「圧死?」 | |
男2 | 「人を押しつぶすんです、言葉は。」 |
男1 | 「堀の向こう側です。傷害罪。」 | |
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男2 | 「………。(驚きに包まれる)」 | |
男1 | しかも実刑ですよね。執行猶予はついてない。」 | |
男2 | 「誰に聞いたんですか?」 | |
男1 | 「いやいや聞かなくったって記録は残ってるわけですからわかりますよ。すぐに突き止められます。」 | |
男2 | 「………。」 |
女2 | 「……どうして日記を渡さなかったの?」 | |
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男2 | 「でっかく載せたかったんだ。一番センセーショナルに扱ってくれるマスコミに渡そうと思ってた。それで、値踏みしてた。」 | |
女2 | 「……サトル、喜ぶわ。サイコーの父親じゃない。」 |
女2、おもむろにバッグから日記帳を取り出して項を繰る。 と、黒い人々が現れて、女2を取り囲み、「言葉の暴力」が行われる。 |