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7)疑われている《悪意の目にはすべてが悪に映る。》


男4 「おまえ、まだ写経やってるのか?」
女3 「あと一週間で終わる。」
男4 「一週間?」
女3 「サトル、最後の7日間。最後の週はね、1日1日、文章量がとっても多いの。」
男4 「………。」



女1 「どうして抗弁しないんですか?」
女3 「抗弁……?」
女1 「やましいところないんですよね?あたしだったら電話線なんて外しません。徹底的に自分たちの無実を主張します。」
女3 「………。」
女1 「それが理屈だと思いません?」



女1 「誰だって叩けば埃の一つ二つ出るんですよ、タカハシさん。」
男4・女3 「………。」
男2 「マスコミの側に叩く気があるのか、ないのか、そこが肝心なんです。」
男4・女3 「………。」
  目の部分に黒く帯を張られた人たちの姿が浮かび上がってくる。



男3 それ、ヤマモトさんのなんですか?
女1 ……ええ。
女2 あなた、特定されても平気なんですか?
男1 ほんとに何から何まで携帯一つで特定されてしまうんですよ。
女1 ……あたし、皆さんと同じ立場の人間じゃありません。



女1 ここにいる人はみんな素性を隠してる、それはそうしなくちゃならないほどの思いをしてきたから。あたしも素性を隠さなければ、それを知ることはできなかった。許されないのは、素性を隠してるかどうかではなくて、そこに悪意が隠されていること。
男1 悪意……?
女1 あたしは、それは毛先ほどもないつもりでした。


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