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日比野 ちょっと来い、聞きたいことがある。
幸多 聞きたいことなら父さん、俺もあるんだよ。いろいろ考えたんだ。でもまだ頭ん中がまとまらなくて、うまく話せるかどうか自信がないんだけど……
日比野 今すぐだ。
幸多 行くよ。行くけど、頭がちょっとじんじんするんだ。
日比野 早く来い。



  不意に幸多、テーブルに現れ、初めて日比野に面と向かって―。
幸多 父さんは鏡を見てるんだよ。
日比野 鏡……? (綾子に)何だ、鏡って?
幸多 今、はっきりわかった。(と、G・Jへと去っていく)
日比野 おいちょっと待て、まだ話は終わってないだろう、幸多!



  リビングの端から反対の端まで届くほどの異常な長さになっている……。 真由、コーヒーサーバーがないのを確認すると再び髪を拭きながら戻っていく。
日比野 俺は甘えは許さない。甘えても許されるんだと思う心が許せない。(幸多に)幸多、聞こえてるな。お前が本気で出たくなったらドアを叩くなり叫ぶなり、何でもいい合図しろ。そしたら開けてやる。それまでは出なくていい。ずっとそこで生きろ。そこがお前の世界だ。



幸多 「君は何のために生きてる?」って聞かれたら、なんて答える?
雲雀野 んー、いきなり手厳しい質問だね。それはその都度変わっていくものだからおいそれとは言えないところあるけど、少なくとも今ははっきりしてる。君と友達になるためだよ。



幸多 自分が悪いと思ったことはないんだ。
雲雀野 え、何それ。理解不能なんだけど、どういうこと?
幸多 どうして自分はくせぇって言われるんだろう。くせぇって言われる自分は何なんだろう。
雲雀野 (思わず吹き出して笑って)そんなこと考える必要もないよ。ナンセンスだね。
幸多 ナンセンス……?



れぞんでとる> きっと今、考えてる 僕がぼんやり画面見ながらいろんなこと考えてるように〔せる〕さんも考えてる     
せる> なるほど
れぞんでとる> そう思える沈黙は気に入ってる   
せる> ………
れぞんでとる> ………


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