白く、こざっぱりとした、またしても待合室。 |
増岡 | そこが精子ドナーの待合室です。 | ||
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伊達 | 間違いなく? | ||
増岡 | はい。ご足労ですが、そっち行って申し込んでもらえますか? | ||
伊達 | 分かりました。そこでその、精子を出すんですね? |
月野 | 藤枝さん、いらっしゃいます? | |
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増岡 | 藤枝? | |
月野 | こちらにお勤めだって聞いてるんですけど。 | |
増岡 | ……どういったお知り合いで? | |
月野 | プライベートよ。言わなくちゃいけない? |
女A | あのう……。 | |
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増岡 | 何か? | |
女A | さっきまで待ってたんですけど、あのちょっと落ち着かなくってトイレに、あのまだ大丈夫ですか? | |
増岡 | どうぞ、かまいませんよ。 | |
女A | ごめんなさい、なんか慣れないとすぐ舞い上がっちゃって、主人はそういうとこ人柄が出てていいって言うんですけど、あたし自分では…… | |
増岡 | どうぞ。お話は中で伺いますから。 |
月野 | 恋とか愛とか、そんなのヌキで子供をつくるビジネスなんでしょう? | |
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増岡 | 恋愛感情あるほうが普通です。 | |
月野 | 見ず知らずの男の精子、売ってるのに? | |
増岡 | ………。 | |
月野 | そういう仕事してる人たちって、もっとサバけてるかと思ってた。(増岡に手を差し出し)あたしの問診票もらえる? |