坂巻 | それが最近は携帯にまで無言が入るようになってさぁ。 | |
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空知 | ずいぶん執念深いんですね。 | |
坂巻 | お前じゃないのか? | |
空知 | ………。 | |
坂巻 | あれ? 外した? |
空知 | (慌てて押さえて)なワケないだろ、この人は何でもないんだから。 | |
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香澄 | (女に)香澄です。砂原香澄。びっくりしたでしょ、突然で。あたしも時々、お邪魔してるんです。 | |
女 | (微動だにせず)……なんでもないって、どういうこと? | |
空知 | え……? | |
女 | ナンデモナイ……? | |
空知 | どうしたの……? | |
香澄 | (女に)あの、あたしはすぐ別の部屋、行きますから。 | |
女 | そんな言い方ってないわよ。ナンデモナイって、あたしはここにちゃんといるじゃない。あなたを訪ねてきたんじゃない。 |
香澄 | 一緒に潜ったのは、たったの8本です。 | |
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男 | 100はエントリーしただろ。インターネットでさ。 | |
香澄 | あぁ、そういうこと……。 | |
男 | 俺たちはネットの海で出会った。 | |
香澄 | ………。 | |
男 | ネットサーフィンってよく言ったもんだよ。ほんとインターネットって、サーフィンやってるようなイメージあるもんな。 | |
香澄 | 次から次に出会いの波が押し寄せる。 | |
男 | それに海もインターネットも世界中に繋がってる。似てるよ。 |