語る人2 | よくこんなふうに思うことがある。「生きるということに誠実でありさえすればいい」と。でもそんなにたやすいことではないのね。 私は本当はにせ者だ、まがいものだっていう気持ちが絶えず心のどこかに潜んでるの。誰でもときにはそんなふうに感じるものなのかもしれないけど。------- | |
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真坂 | あなたは誰ですか? | |
語る人1 | マリリン・モンロー。そして私は私よ。 |
新庄 | (改まって椅子に座って手を挙げ)はい。 | ||
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真坂 | (指して)はい、新庄さん。 | ||
新庄 | (立って)さっぱりわかりません。 | ||
真坂 | 簡単に言いますとね、私どもは行きたい人だけが行く、自主的な公立の学校を創ろうとしているんですよ。 | ||
新庄 | あのすいません、今行きたい人だけが行くとおっしゃいましたか?。 | ||
真坂 | はい、そういう公立学校です。 |
島崎 | 自由な校風の学校にするとか、反対に、制服着用を絶対として規律や礼儀作法を重視するとか。 | |
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真坂 | そうです、学業の点でも音楽や演劇といった芸術分野にウエートを置いた授業カリキュラムにするとか、いろんな特色が打ち出せるんです。それでですね新庄さん、そうした学校がひとつでも、既存の公立学校とは別にできれば、子供たちはどっちの学校に行こうか自分で選べることになるんです。今まではこの学校に通いなさいと無条件に指定されてたわけでしょう? | |
新庄 | ………。(腕組みして思案顔) |
堀井 | なんで殴ったんです? | |
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真坂 | 不可抗力ですよ。 | |
堀井 | (真坂に)あの子は手は出していないでしょう。島崎先生が突然殴ったんですよ。 | |
真坂 | そういう不可抗力もあります。 | |
新庄 | 何バカなこと言ってるんですか。 | |
真坂 | 堀井先生。 | |
堀井 | (島崎に)謝りましょう。(腕を取り)御手洗とお父さんに、戻って謝りましょう。俺も一緒に頭下げますから。 |
真坂 | 「島崎いつか刺す」「島崎いつか刺す」「島崎いつか刺す」。毎日毎日書かれてるんですよ、1か月以上、一日も欠かさず。 | |
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御手洗 | ………。(ぷいっと外れようと) | |
真坂 | (さらに眼前に突きつけ)娘さんは何しに学校に来てるんですか? お父さんはこういうことをさせるために学校に行かせてるんですか? 冗談ですまされる事じゃありませんよ。それでも冗談だっていうんなら、もう学校に来ないで下さい。 |