保志 | そんなもんなんですか、3年間の価値って。 | |
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恩田 | 何よ、価値って。 | |
保志 | もっと分かり合わなきゃいけない事っていっぱいあるんじゃないんですか? | |
恩田 | 何気持ち悪いこと言ってんの? | |
保志 | 気持ち悪い……? | |
恩田 | 思い出に残る先生になりたいの? 私の忘れられない先生。 我が恩師。 人生を変えてくれた人。 そういうのになりたくて教師になったの? | |
保志 | いけませんか? | |
恩田 | ………。 |
語る人3 | 「天才である自分をなぜ誰も発見してくれないんだろう」、僕はいつも不思議に思ってたんです。この学校では誰よりも賢いのは僕なのに、みんなそのことが分かっていないんだろうか。先生は馬鹿だということも分かってないんだろうか。僕には知識なんて必要ないのに、その不必要な知識だけしか持ち合わせていないのが先生なのに、それに気づく人はいないんだろうか。------- | |
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真坂 | あまたは誰ですか?。 | |
語る人3 | (ノートブックを閉じて)ジョン・レノンです。 |
作業員4 | (真坂に)それにお前も。 | |
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真坂 | ………。(驚いて見る) | |
作業員4 | さっきから何ぼーっと読んでんだよ。 | |
作業員1 | やることやらなきゃ始まらないだろ。 | |
作業員3 | やれよ、さっさと。 | |
真坂 | ………。 |
教室の戸が開いて制服姿の生徒達が話しながらなだれ込んでくる。 彼らの制服は一見して制服とわかるのだが、一人一人は別物、全員が全く種類の異なる制服を着ている。------- |
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真坂 | -------良い心。良き心。良心とはやっかいなものだな。言ってみれば子供のようなもんだ。かわいがって、遊んでやって、欲しがるものをくれてやれば、つけあがって生意気になる。こっちの楽しみのすべて、悲しみのほとんどに、いらざる口出しをするんだ。良心を特別扱いしちゃいけない。反抗したらひっぱたく。厳しくして、ちゃんと言い聞かせて、のべつ遊んでもらえるとは思わせない。そうすれば、しっかりした良心を持っていられる。 -------だけど良心は死んでるときが最高だ。 (ノートブックを閉じて)あなたは誰ですか? マーク・トウェイン。 |