#4ダイエッター「セリナ」

「セリナの視線」
 おいしいもの何でも揃っているコンビニ。小さい頃から私は欲張り。あれもこれもと全部欲しがる。
 商品の1つ1つを手に取り、見比べる私の姿。せっせとカロリーチェック。
 どれがいいかな。クリームパン、チョコビスケット、かつサンド、直巻おむすび、コロッケ、バナナ、ポテトサラダ、野菜ジュース、ところてん、アイスクリーム。ああ、きりがない。どれもいい、どれも欲しい。決められない決まらない。は、周りだけでな く自分にも迷惑をかける。
 だって整髪料1つ買うのに、5件も6件も、薬局をはしごする優柔不断ぶり。それが私、なんて。ビョーキかビョーキじゃないかは、あなたが決めて。どっちだって同じことでしょ。
 どこに 何が 潜んでいるかなんてわからない。
 でもわずかでいいから、見たらわかることもあるかもしれない。
 真正面から向き合えば、雲の動きだって水の動きだって読みとれる。
 今日まで何を見てきたか。これから私は何を見るのか。
 今日、あなたは何を見ましたか。
高木渚



コメント

「マイアニバーサリー。文化祭・体育祭、大盛り上がりのうちに終了。あたしたちは頑張った。それが証拠に記念写真はみんなのはじける笑顔でいっぱい。中でも自分を褒めてあげたい私はとびっきりの笑顔でVサイン。」





セリナ 今日、何?
ビーフシチューにパスタサラダ、オニオングラタンスープ。
セリナ あたしの好きな物ばっかし。
今日、セリナの誕生日でしょ。
セリナ (輝いて)あ………。
(ややおでけて)セブンティーンアニバーサリー。



 

(火をつけつつ)大観衆が見守る中、セリナの心に明かりが灯ってゆきます。

ミツル

キャンドル・サービス。

電気、消すわよ。
じゃ歌ってみるか。
ミツル 歌うの?
こういうときは歌だろう。
セリナ (照れて)いいよ、別に。




家族 (口々に)いただきます。

 

  セリナ、コンビニ袋からおにぎりを2個出して、両手に持って食べ始める。



少女たちの噂が始まる。一人が一人に、その一人が次の一人に、次の一人がまた別の一人に、と噂は波のように伝わり広がってゆく。



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