劇団ワンツーワークス (OneTwo-WORKS) 古城十忍の演劇

誰も見たことのない場所
■公演データ
[共催] 東京都杉並区
[日時] 2010年9月4日(土)開演14:00&19:00/5日(日)開演14:00
[会場] 座・高円寺2
[入場料] 全席指定 前売2800円・当日3000円・杉並区民割引2500円
■観客動員
 
観客動員数 372名
■アフタートーク
「日本で初めてのドキュメンタリーシアター」
 古城十忍(劇作家・演出家)×奥村洋治(俳優)×関谷美香子(俳優)×重藤良紹(俳優)
■アンケートに寄せられた声
  • 一つ一つの“生きた言葉”にすごく考えさせられました。この作品を見た後で思い出す“死なないで下さい”はとても重く感じました。でも、見終わった後はなぜかとても軽い気分です。不思議。 (女性)
  • 以前仕事で知り合った方が電車に飛び込んで亡くなるという事に遭遇した事があります。家族の方も「“事故”ということにして下さい」とおっしゃり多くを話しては下さいませんでした。誰も理由が分からず、しばらくその方の話題にはふれられなかった記憶があります。つい避けてしまう事だけど、一番しっかり話さなければならないことだと思います。 “病気”なら医師や看護士さんがいます。自殺に至る心の動きも“病気”と同じ。それに対応するための一番の処方せんは…“人の理解”だと思いました。 私もできることから少しずつ…始めてみます。今日観ることができてよかったです。ありがとうございました。 (未記入)
  • 「自殺」って重い題材だけどすごくよかった。正直私には自殺したい人の気持ちはわからないし、そういう気持ちは私の中にはなくてもいい感情だと思う。でももし近くにそういう人がいたなら私だって助けたい。力になりたい。今日この「誰も見たことのない場所」を見てやっぱり私の中には自殺に対する偏見があったことに気づいた。 (未記入)
  • 強烈なメッセージをもらった様な気がした。行政の広報よりもよっぽど役に立つと思う。 (男性:会社員)
  • 思っていたよりももっとストレートで、(実際の遺族や未遂者の方のコトバが使われていることは知っていましたが)一つ一つが染みこんできました。今日初めて“企図者”というコトバを知りましたが、自分も昔それに該当していたように思います。(今は問題なく、楽しく生きていますが、自殺をどうにかしたいという気持ちは強くあり、卒業後の身の振り方を考えています。)生と死、モラルや自由意志、そういった話題、特に自敍が会話、社会の中で避けられフタをされるとういう今日のセリフは、とても実感しています。このような場、劇を提供して下さってありがとうございました。それと、歌舞伎町の僧侶の役のキャラが最高でした(笑) (男性:大学生)
  • そもそも死に触れる機会が減っているうえに自殺の情報が少ないので、普通に暮らす人には自殺について何も分からないのではと思う。そういう意味で今日の舞台は知らなかったことをたくさん知ることができた。直接が生々しいのであれば、このように芝居とかマンガとかアニメとか媒体を経て、伝えて欲しい。 (男性:会社員)
  • 多面的な自殺に対するイメージが持てました。妊婦さんのシーンが一番心にグッときました。自分に投げかけられているような気がしました。 (未記入)
  • よく思うのだが、自殺や最近の犯罪について全くリアルさが無いと思う。リアルの欠如さをすごく感じます。単純な考え方もしれませんが、痛くないのか苦しくないのかと考える。一般の人なら、正直そんな事を考えてしまうと思う。しかし、自殺する人達にはその感覚が少しないのかと思う。もっと人と人のつながりがリアルに感じ合う事が出来れば、このような状況にはなってないと思う。しかし、現代社会ではケイタイやパソコンなどなど、人との関係がすごく希薄である。私はもっともっとリアルな人間さを感じる世の中を切に願います。だから、この舞台のリアルな取材や表現は非常に関心があり、これからもこのような活動を続けていってほしいと思います。 (男性:トラックドライバー)
  • 人生において楽しいことつらいこといろいろあると思いますがこの舞台を観て何か大切な人の気持をわかった気がします。「近くにいれば」そう思います。すばらしいこの公演を観に来ることができよかったです。 (女性:会社員)
  • 学生時代、同じ寮で生活していた友人を亡くしました。私には、想いとどまらせる事が出来なかったのでしょうか。現在、精神障害者の施設で生活支援員として働いています。もう17年目になります。その間、利用者数名と父を亡くしました。友人として、支援者として、家族として、私は残されるものになりました。私には、思いとどまらせる事が出来なかったのでしょうか。たぶん出来なかった。言い訳でもあきらめでも何でもなく。そしてこれからも、また。でも私は、これからも誰かのそばにいたいと思います。これからも誰かの声に耳を傾けていきたいと思います。友人として、支援者として、家族として、一人の人として。 (:障害施設生活支援員)
  • とても重いテーマ・内容でしたが、よく上演してくださった…という想いです。ひとつひとつの言葉が、重く強く響いてきました。言葉を集め、選び出す作業もおそらくとても大変だったのでは、と思います。自殺防止は今わたし自身の中でも大きなテーマでもありますし、当然国ももっと力を入れるべき「危機」だとうけとめています。そう考えていたこに時機に、よい作品をみせていただきました。ありがとうございました。 (女性:産業カウンセラー)
  • 最も印象に残ったのは劇の最後の「電車に乗り換えるように死を選ぶことがないように、私が寄り添う」という趣旨の台詞です。そのように寄り添うことは、その人の能力や機能とは関係なしに、その人の存在そのものを私が必要とすると表明することと一体になっていると思います。劇ではそれが伝わってきました。一方、自殺によって迷惑を被る人たちの当然の怒りについては、その扱いがストレートすぎて、「自殺するのは勝手だけど迷惑だけはかけるなよ」という見方に対する否定が弱かったように感じました。自殺者の中には、過剰な人への思いやりがありながら、自分にはその思いをかけない場合があります。自殺という迷惑をかけかねない行為と人への思いやりという視点が何かの形で実現されていればよかったと思いました。 (男性)